東京都豊島区音楽教室 第2回指揮法合同レッスンのご報告
- 2017.09.02 Saturday
- 21:54
JUGEMテーマ:指揮者
4ヶ月連続指揮法合同レッスン、前回7月の第1回に続いて、8月に第2回が開講されました。
本レッスンは、指揮コースの生徒さんを対象とした合同レッスンで、ピアノ連弾を生徒さんが指揮し、レッスンを受けるという形式です。7〜10月に1回ずつの全4回で、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の1〜4楽章を課題としています。
今回は前回もご参加いただいた3名と、初参加の1名、計4名の方が参加されました。
2楽章は1楽章よりもさらに表現の個性が様々で、また難しそうでもありましたが、それぞれが創ってこられた音楽を指揮してもらい、そこへ宮川先生の楽しく丁寧な、またユーモア全開の(笑)レッスンが行われ、この日も有意義な時間となりました
以下、当日のお写真とご担当いただいた宮川健太郎先生からのご報告です。
【第2回指揮合同レッスンの実施】〜宮川健太郎〜
先月7月に引き続き、8月20日に第二回を開催できました。
ピアノを弾いてくださった二人の先生に、この場をお借りして、あらためて深謝申し上げる次第です。
第二回の課題曲は、モーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の第二楽章。
先月は第一楽章でしたから、順を追って、ということです。
前回、聴講された生徒さんから
「(人の指揮を)見るのはとても勉強になるけれども、でも、何時間も座って見ているのは……」
……すなわち、実際に指揮してみたくなった、受講してみたくなった、という意思表示があり、今回は結果、前回より受講生が増えたかたちでの開催となりました。
今回が、前回と大きく異なったところは、生徒さんが鋭い質問をいくつも投げかけてきたことです。
それは生徒さんの事前の勉強の結果、ということがいえますが、本質はすごくシンプル・素朴な質問の類ばかりだったので、私は「虚を突かれた」といった感じを受けました。
例えば
「なぜこの曲はアウフタクトで始まるのか、一拍目からではないのか」
「楔形の記号はアクセントではないのか」
「楽譜には遅くして、という指示はないけれども、ここは自分で遅くしてみたい。なぜそう思うだろうか?」
などといったことでした。
実は、私自身、十分に生徒さんを説得させられるだけの明確な根拠を持っているわけではないものもありましたので、ピアノの先生方や、他の生徒さんのご意見も訊きながら、いっしょに考えていくというかたちをとりました。
上記のような質問の一部は、ともすると素通りしてしまいそうなことです。
何の疑念もなく通過してしまいそうなものともいえます。
でも、曇っていない目を持つ生徒さんは、そういったことも素朴な疑問として問いかけてきてくれたので、よく言われる「教えることは学ぶこと」をつくづく実感した時でもありました。
また
「ピアノの先生となるべくアイコンタクトを取ろうと思った」
「とにかく楽しくやろうと思った」
という風に、予めご自身で事前に決めていたことを実行に移してくれた生徒さんもいました。いずれも指揮をするうえでとても大切なことです。ありがたいことだと思っています。
今後の課題としては左手の使い方でしょうか。
指揮をする人それぞれの感性や本能に依るところが大きい左手の使い方を教えることはとても難しいのです。
次回は第三楽章。また新たな展開になることを楽しみにしています。
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宮川 健太郎(みやがわ けんたろう) 1996年慶應義塾大学法学部法律学科卒業。会社勤務、東京藝術大学音楽学部指揮科を経て、2014年東京音楽大学大学院指揮科修了。 |
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